医療機関・クリニックにおける誹謗中傷・口コミトラブル

医療機関やクリニックにとって、患者様からの信頼は経営の根幹をなします。しかし、近年、インターネット上の誹謗中傷や口コミトラブルが増加しており、これらは医療機関の評判や経営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

口コミが重視される時代における医療機関・クリニックの特性

現代において、多くの患者様が医療機関を選ぶ際に、インターネット上の情報や口コミを参考にしています。病院検索サイト、SNSなどに投稿される口コミは、新規患者の獲得に大きく影響するため、その管理は不可欠であり、中でもGoogleマップは地図検索アプリで圧倒的なシェア率があるとのリサーチ結果も存在します。

その反面、投稿される誹謗中傷や虚偽の口コミは、それが匿名であっても医療機関の信頼を著しく損ねるリスクをはらんでいます。特に医療機関においては、治療内容や対応、費用などに関して、患者様の主観的な評価をあたかも客観的に起こった事実かのように直接口コミに反映するといったことが起きやすく、悪意のある投稿や誤解に基づく情報が拡散されやすいという特徴があります。

医療機関・クリニックで発生しやすい誹謗中傷・口コミトラブル

医療機関が直面しやすい口コミトラブルには、以下のような具体例が挙げられます。

  • 病院検索サイトや医療情報サイトでの虚偽情報

    「必要のない治療をされた」「説明不足のせいで痛みが残った」など、根拠のない医療ミスに関する内容が投稿されるケース。
  • 人的資源に対する誹謗中傷

     医師、スタッフを名指しあるいは容貌などの特徴を指摘して特定できるようにして、不満や悪口を投稿されるケース。
  • 特定の患者による悪意のある投稿

    いわゆる「モンスターペイシェント」による、複数アカウントで連続して投稿したり、定期的に更新して常に最新の表示にしたりと、嫌がらせをされるケース。

これらのトラブルは、来院患者数の減少、スタッフのモチベーション低下、さらには風評被害による求人活動への悪影響など、多岐にわたる損害を引き起こす可能性があります。

医療機関・クリニックの誹謗中傷・口コミトラブルへの対処法

誹謗中傷や悪質な口コミに直面した場合、速やかで適切な対処が求められます。

  1. 冷静な状況把握と証拠保全

    投稿された内容を正確に把握し、スクリーンショットなどで証拠を保全します。すぐさま返信機能で反論するなどの感情的な反応は避け、専門家の判断を仰ぐ必要があります。
  2. サイト管理者への削除依頼

    多くの口コミサイトやSNSには、不適切な投稿に対する削除ガイドラインが設けられています。まずは、各プラットフォームの規約に基づき、削除依頼を行います。
  3. 法的手段の検討

 ①削除の仮処分申立て: サイト管理者が削除に応じない場合は、裁判所に対し投稿の削除を求める仮処分を申し立て、裁判所の判断を仰ぐことができます。

 ②発信者情報開示請求: これによって得られた情報を元に投稿者を特定することができます。

 ③損害賠償請求・刑事告訴: 誹謗中傷により損害を被った場合、発信者に対して損害賠償を請求したり、悪質な場合には刑事告訴をしたりできます。

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼することで、医療機関は以下のメリットを享受できます。

  • 専門的な知識と経験による迅速な問題解決

インターネット上の法的問題は複雑であり、専門的な知識がなければ適切な対応が難しい場合があります。また、上記のとおり、感情的な反応をしてしまうと更なるトラブルを生むことがあります。これらの対応について、法的根拠に基づき、迅速かつ効果的な解決を目指します。

  • 時間と労力の節約

医療機関が自力で対応する手間と時間を削減し、本来の業務に集中できる環境を整えます。誹謗中傷による精神的ストレスから解放され、安心して医療活動に専念できるようになります。

  • リスクマネジメントの強化

事前の法的チェックやアドバイスにより、将来発生しうるリスクを低減し、経営の安定化に貢献します。

弊所における顧問対応にて提供できるサービス

誹謗中傷や口コミトラブルの解決には、法律の専門知識と迅速な対応が不可欠です。顧問弁護士は、医療機関の特性を理解した上で、以下のような多岐にわたるサポートを提供し、経営の安定と成長に貢献します。

  • 誹謗中傷・口コミトラブルへの対応

投稿の削除依頼、発信者情報開示請求、損害賠償請求など、具体的な法的手段の実行をサポートするだけではなく、ご依頼者様のニーズ、医院の雰囲気などに合わせ、口コミプラットフォーム全体を観察し、どのような反論を残すことが効果的かなどの助言をすることが可能です。

  • トラブル発生時の迅速な初期対応

問題発生時に冷静かつ迅速に対応できるよう、適切なアドバイスや代理交渉を行います。即日の対応が求められるケースもありますので、このような緊急性についても対応可能です。

  • 予防法務の推進

契約書のリーガルチェック、医療広告ガイドラインへの対応、個人情報保護に関する助言など、将来の法的紛争を未然に防ぐためのサポートを提供します。また、これらの問題に伴う労働問題やカスハラ対応など、日常的な運営における法的リスクを軽減するためのアドバイスを行います。加えて、弊所において作成したカスハラ対策ポスターを掲載していただき、全国各地の医院、歯科医院と連携してこの問題に取り組んでいることをアピールすることができます。

 弊所においては、数多くの口コミ、これに伴うカスハラ問題などについて対応してまいりました。放っておけば「割れ窓理論」ではありませんが、一つの悪質な口コミが更なる悪質なものを生みだすような現状ですから、対処については一度弊所までご相談をいただけますと幸いです。

Last Updated on 2025年8月25日 by kakikomi.iclaw

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    この記事の執筆者:弁護士法人稲葉セントラル法律事務所
    法律事務所でも誹謗中傷トラブルに遭うケースがありますが、弁護士として対応方法は分かっているものの、非常に大きなストレスを感じました。依頼者様への誹謗中傷の書込みを精査し対応する中、今でも誹謗中傷されたことに対し苦々しい思いを抱きます。この想いを抱く度、依頼者の方はもっと苦しんでいることを肌で感じ、なんとか今よりも良い状態にしよう、会社に損害が発生しないようにベストを尽くそうと強く思います。弊所では、これまでネット上の誹謗中傷問題に力を入れ、数多くの事件を解決して参りました。中でも、法人のお客様からのご依頼が多く、法人に対する誹謗中傷問題については、経験と問題解決のノウハウに強みを持っております。私たちは、投稿の削除に限らず、削除が難しい案件についても改善のため挑戦いたします。皆さまのストレスを少しでも減らすため、最善の解決方法を考えサポートいたします。