士業の誹謗中傷・口コミトラブルについて対処方法を解説

士業の誹謗中傷・口コミトラブルについて

士業の方々は、その専門性ゆえ、ネット上の誹謗中傷や違法不当な口コミによる被害に直面し、結果として顧客の信頼を失うなどのリスクが高まっています。このようなリスクを回避するため、弁護士との連携は、投稿削除、開示請求及び情報の特定といった対策をスムーズに進めるための鍵となります。

1.士業の業務、発生しやすい口コミトラブル

士業は、法的な業務を行う職業の総称として知られています。

例えば、我々弁護士は、企業においては労働トラブル、債権回収などの業務を行い、司法書士は、各種登記申請を進める専門家として役立ちます。

税理士は、経営のコンサルタントとして税務のアドバイス等を行い、行政書士は国内の公的手続や届出の業務を専門としています。

このように、士業は高度の専門性をもって、困難な内容に立ち向かう業務を行うため、相手方はもちろん、場合によっては顧客等と対立することもあります。このような根深い不満等が原因で、意図的に特定の士業の評判を落としてやろうなどと考え、悪質な口コミの記載につながることが多いのです。

2.士業の誹謗中傷・口コミトラブルの具体例

 士業に対する誹謗中傷の事例は数多く存在していますが、ここで弊社が取り扱った事例を取り上げます。特定の士業が顧客との相談内容について意見が合わず、トラブルが発生しました。その後、その顧客と思われる人物が、SNSや口コミサイトで、当該士業に対する不正確な情報や侮辱的な書き込みを投稿しました。

このような書き込みには、事実と異なる情報や個人情報の開示が含まれていたこともあり、弊所としては法的対応が必要と判断しました。具体的には、投稿の削除のみならず、発信者の特定を行った上で損害賠償請求の手続きまで行う必要があると考えました。

3.士業の誹謗中傷・口コミトラブルへの対処法

3-1. 誹謗中傷の内容の特定と具体的な対応

上述したように、ネット上の誹謗中傷や口コミは、企業や事業の評価に大きな影響を及ぼすおそれがあります。そのため、万が一このような被害に遭った時には適切な対応が重要です。

具体的な対応として、以下の手続きが考えられます。

①問題となっている投稿の情報保全

後述するように、いきなり投稿削除の申請を行ってしまうと、これが認められた後、投稿者がこれに逆上して更なる投稿を行うなどの問題があります。

このような場合、投稿者を特定して訴訟を提起するなどの対応が必要な場合がありますが、「過去にも嫌がらせを受けていた」ことを説明できれば有利に働く場合もあります。そのため、URLが正確に写っている画面をスクリーンショットして保存するなど、適切な情報保全を行う必要があります。

②削除請求

不適切な内容の投稿を発見した際、それを掲載しているサイトの管理者やSNSの運営者に対し、その内容の削除を求める手続きです。しかし、運営者側が対応しない場合もあるため、その際は裁判所に対して申立てを行うなど、法的な手段を検討することとなります。

③開示請求

誹謗中傷を行った投稿者の情報(名前、IPアドレスなど)をSNSや掲示板の運営者に求める手続きです。もっとも、運営者側としては、簡単に個人情報を開示することになれば、利用者からその開示を問題視されてしまうため、任意での手続きは基本的には応じません。そこで、原則としては裁判手続によって情報開示を求めていくことになります。

④損害賠償等の請求

③の手続きによって情報を開示することができた場合、当該投稿者に対して損害賠償を請求したり、合意によって2度と悪評を記載しないことを約束させることができます。

3-2. 口コミに対する返答について

例えばGoogle Mapsにおける口コミには、返信機能がついており、これに返答することで適切な反論をすることができる場合もあります。

これについては、どのような返答を行うか非常に難しいところです。毅然とした態度で返答すれば、逆恨みを買ってさらに悪質な口コミを行うことにつながることもあります。また、投稿者がある程度わかっている場合に、具体的にその特定の顧客等とのやり取りを持ち出して説明すれば、不当な個人情報の漏洩と指摘されることもあり、人違いの恐れもあるところです。

そのため、口コミに対する返答については慎重な判断が必要です。

5.士業の誹謗中傷・口コミトラブルでお困りの方へ

稲葉セントラル法律事務所では、事業者様に対する顧問プランを提示しています。誹謗中傷のみならず、日常業務のサポートをする中で、常時事業者様の状況を理解し、万が一、誹謗中傷・口コミトラブルが発生した場合、適切な対応を迅速に行い経営の安定化と成長をサポートすることができます。

また、このような誹謗中傷等を事前に防止するため、顧問弁護士の表示を行い、悪質な口コミに対しては法的対応を取っていくとアナウンスされている顧問様もいらっしゃいます。

詳細については、お気軽にご相談ください。皆様の問題解決に全力で取り組みます。

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Last Updated on 2024年5月9日 by kakikomi.iclaw

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    この記事の執筆者:弁護士法人稲葉セントラル法律事務所
    法律事務所でも誹謗中傷トラブルに遭うケースがありますが、弁護士として対応方法は分かっているものの、非常に大きなストレスを感じました。依頼者様への誹謗中傷の書込みを精査し対応する中、今でも誹謗中傷されたことに対し苦々しい思いを抱きます。この想いを抱く度、依頼者の方はもっと苦しんでいることを肌で感じ、なんとか今よりも良い状態にしよう、会社に損害が発生しないようにベストを尽くそうと強く思います。弊所では、これまでネット上の誹謗中傷問題に力を入れ、数多くの事件を解決して参りました。中でも、法人のお客様からのご依頼が多く、法人に対する誹謗中傷問題については、経験と問題解決のノウハウに強みを持っております。私たちは、投稿の削除に限らず、削除が難しい案件についても改善のため挑戦いたします。皆さまのストレスを少しでも減らすため、最善の解決方法を考えサポートいたします。

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